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2003年4月のお知らせ

神奈川新聞にて『ボイスカムバック』が紹介されました

開発の源「母への思い」
かわさき起業家大賞 音声拡聴器「ボイスカムバック」

「神奈川新聞」 暮らしの経済 2003(平成15)年4月11日

厳しい経済環境にあって、ベンチャービジネス、新産業を支援する「かわさき起業家選抜 ビジネス アイデア シーズ市場(いちば)」は、二〇〇一年秋の発足以来、十三回(うち二回は学生選抜)の開催を重ね、「川崎発」の新事業を着実に生み出しつつある。このとこ ろ、企業マインドは冷え込んでいるといわれるが、先ごろ四件目の「大賞」に選定されたアイデアは、愛情あふれる思いやりの心がビジネスチャンスにつながっ た。さあ、あなたも自身のアイデアで、チャレンジしてみてはいかが―。 お年寄りの身になって開発された音声拡聴器「ボイスカムバック」が、シーズ市場の四例目となる「かわさき企業家大賞」を受賞した。きっかけは「耳の不自由 な母」へのプレゼント。その母は亡くなったが、使いやすさと低価格が受けてか、利用者は全国に確実に広がっている。 開発者は川崎市高津区の伊吹電子(松田正雄社長、二十人。)社長の松田さん自身の発想だった。古里の母が耳が不自由になったにもかかわらず、補聴器を使い たがらない姿が開発を思いつかせたのだ。 「何十万mする高価な補聴器でも、必ずしも使いやすいとは限らない」と松田さん。本業は電子機器の製造。そのノウハウを生かして、手軽な"補聴器"づくり にに着手した。最初の試作品ができたのは一九九八年ごろ。段ボール製だった。 その後も試作を重ねて、商品化一号が誕生したのは一九九九年のこと。「クリアーボイス」と名づけられたその音声拡聴器は図らずも、下請け企業「伊吹電子」 び自社開発製品第一号でもあった。 携帯電話タイプの「クリアボイス」に対して、シーズ市場の対象に選ばれた「ボイスカムバック」はヘッドホンタイプ。二〇〇二年三月に、「二号機」として商 品化にこぎ着けた。一、二号機とも使ってもらう前に古里のは母は他界した。が、「二つとも仏壇に置いてあります」と松田さん。 大賞の「ボイスカムバック」は一万四千八百円。一号機の「クリアーボイス」は九千八百円。破格値だ。 医療器具ではないため「補聴器」ではなく「聴覚補助用具」「音声拡聴器」の表現が使われているが、数十万もする高級品もある「補聴器」と比べてはるかに廉 価。松田さんは「『これくらいの価格なら買いやすいかな』と言う感覚で値段をつけた」と、開発費やマーケットを無視?して価格設定したという。 売れ筋でもあり、お勧め品として松田さんが挙げるのは「クリアーボイス」。対して新製品の「ボイスカムバック」は、「活動的なお年寄りに好まれる。プレゼ ント用に若い人が選択するのもこちらの品」という。 「ボイス―」は、マイクを延長コードにつなげればテレビの音も、周囲を気にせずクリアに聞える。種類の多いボタン型ではなく、分かりやすい単5電池を採用 したのも、母親はじめ、利用者の生の声を取り入れた成果だ。本体はたったの六十四グラム。 人に進められての応募。「あれよあれよという間の大賞受賞」で、さらにビジネスチャンスを広げて注文も相次いでいるが、「千台作って、在庫がなくなった ら、また千台作る」とあくまでマイペース。今、新たな福祉グッズも考案中だ。